蓄音機

7月31日は蓄音機の日。1877年(明治10年)のこの日、トーマス・エジソンが蓄音機の特許を取得したことに由来します。
現在、蓄音機は「レコード盤から音を再生する装置」という意味で用いられていますが、当時、平円盤のレコードはまだ発明されていませんでした。
では、昔の蓄音機の仕組みは、一体どのようなものだったのでしょうか?


【発明】エジソンの蓄音機の仕組み

初期の蓄音機とエジソン
▲初期の蓄音機とエジソン(1878年) via Wikimedia Commons Levin C. Handy public domain

エジソンが発明した蓄音機は、すず箔を張った円筒を手で回転させ、録音針を錫箔に押し当てて、錫箔にできる溝の深さによって音を記録。
そして、できた溝をふたたび針でたどることで音を再生する仕組みでした。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

いわば「録音と再生」がセットになっていたわけですね。この発明当初の仕組みを理解すると「蓄音機」という言葉が、よりしっくりくるのでは?

ちなみに、上の写真のエジソンは当時31歳。僕は本などで、年を重ねた後のエジソンの写真をよく見ていたので、なんだか新鮮です。

トーマス・エジソン(1922年頃)
▲1922年頃(75歳頃)のエジソン via Wikimedia Commons public domain

【問題】蓄音機で初めて再生された曲は?

ここで4択クイズ。
エジソンは世界初の蓄音機を「フォノグラフ(Phonograph)」と名付けて発表しました。
では、その発表の際、蓄音機(フォノグラフ)から流れた曲は次のうちどれでしょう?

  1. メリーさんの羊
  2. 森のくまさん
  3. 大きな古時計
  4. 青い眼の人形

答えと解説・雑学



正解は「1.メリーさんのひつじ(Mary Had a Little Lamb)」です。エジソン自らが新聞記者の前で童謡を歌い、再生したと伝えられています。
エジソンが「メリーさんのひつじ」を選んだ理由は、発明した蓄音機が「ザ・ジ・ズ・ゼ・ゾ」(特に「Th」)の音をうまく再生・録音できなかったから。
子供の発音でも歌いやすい童謡は、エジソンの蓄音機の欠点を隠すのにピッタリだったようです。エジソン、策士ですね…!

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

誤答選択肢「青い眼の人形」は日本の童謡です。「青い眼をした人形はアメリカ生まれ」と歌われています

さいごに

最後までご覧いただきありがとうございます。蓄音機はその後、蝋管ろうかん→円盤状レコード→電気式・ぜんまい駆動と進化していきました。
進化の歴史は割愛しますが、初期の仕組みが頭に入っていれば、発展の過程も理解しやすいのではないでしょうか。それでは!

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