「コミュニケーションを図る(はかる)」と「コミュニケーションを取る(とる)」。
どちらも似た言葉ですが、その意味や使い方にはちょっとした違いがあるようです。
このページでは、「コミュニケーションを図る」と「コミュニケーションを取る」の、それぞれの使い方や例文、言い換える方法などを紹介していきます!
コミュニケーションを図ると取るの違いは?
「コミュニケーションを取る」を先に説明したほうが分かりやすいと思うので、「取る(とる)」「図る(はかる)」の順番でいきますね。
「コミュニケーションを取る」とは
「コミュニケーションを取る」は、コミュニケーションという「行為そのものを実行する」といった意味合いで使われることが多いです。
ですので、「取る」の代わりに「行う(おこなう)」を使って、「コミュニケーションを行う」と言い換えることができます。
「コミュニケーションを図る」とは
いっぽう、「図る」には「計画を立てる」という意味があります。
なので、「コミュニケーションを図る」は、「コミュニケーションを(取ろうと・行おうと)計画する」といった意味合いになります。
「図る」に「努力する」といったニュアンスを含めて使う人も多いので、「コミュニケーションを取ろうと努力する」と言い換えることもできるかもしれません。
「コミュニケーションを図る/取る」の使い方・例文
ここからは実際の使い方や例文を見てみましょう。
「コミュニケーションを図る」を使った例文と、「コミュニケーションを取る」を使った例文を、交互に載せていきますね。
順番に読んでいくことで、両者のイメージの違いを何となく掴めるはずです!
- 会社の上司とコミュニケーションを図る
- 職場で密なコミュニケーションを取る
- お客様とのコミュニケーションを図る
- ビジネスに限らず、看護の現場やオンラインゲームなどにおいても、円滑なコミュニケーションを取ることは大切だ
- 目標を達成するために、取引先とのコミュニケーションを図る
- チームで仕事を進めるためには、苦手な人ともコミュニケーションを取る必要がある
- コミュニケーションを図る上で大切なことは、相手の立場で物事を考えることだ
- あの人はどんな人とも良好なコミュニケーションを取る能力がある。なぜ?
「図る」と「取る」を対比させることで、それぞれの違いが何となく浮かび上がってきたのではないでしょうか。「それでも、まだしっくりこない……」という人に向けて、もう1つテクニック的なことをお伝えしますね!
【言い換えのテクニック】「コミュニケーション」を言い換える
先ほどの例文でもピンとこなかった場合は、いっそのこと「コミュニケーション」という言葉自体を、ほかの言葉で言い換えてみましょう。
「コミュニケーション」と似た意味で用いられることが多い言葉を使った例文を、以下に2つ示します。
- 意思の疎通を図る
- 連絡のやり取りをする
2つ目の例文は「やり取り」のあとに「取る」を使うと、「取る(取り)」が連続して不自然なので、後半部分も「取る」から「する」に言い換えました。
いろいろな表現に触れながら、自分にしっくりくる言い方を探してみてくださいね!
ちなみに、表記は「コミュニケーション」でも、いざ口に出すと「コミニュケーション」になっている人は沢山います(英語のスペルは「communication」です)。もともと日本語に「みゅ」という音がほとんど存在しないため、日本人は「ミュ」という発音があまり得意ではないようです。そして余談ですが、僕の知る限り「きゃりーぱみゅぱみゅ」に関しては、日本人のみならず、海外の人でもスムーズに発音するのは難しいようです!笑
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参考URL・参考書籍など
- 第31回 コミュニケーション(10分でわかるカタカナ語) – 三省堂 ことばのコラム
- 『広辞苑 第七版』岩波書店,2018