9月30日は「国際翻訳デー(International Translation Day)」です。
国際連合の最高機関である国連総会が、2017年5月に決議を採択して宣言しました。
日付の由来は、聖書をラテン語に翻訳した聖職者・ヒエロニムスの命日(430年9月30日)から。
言語の専門家である翻訳家の仕事に、敬意を表する機会を設けることを目的としています。
今日(9月30日)は #国際翻訳デー 📣
国連🇺🇳の公用語はアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語の6つと定められています。、@unic_tokyo は、国連の公用語を母語としない日本の人々と国連を結びつけるため、日々活動しています🌟#UN pic.twitter.com/2YTn5KTBD7
— 国連広報センター (@UNIC_Tokyo) September 30, 2021
今回は、そんな国際翻訳デーにちなんだクイズを1問出題します!
【クイズ】この英語と関係が深いのは?
まずは、下の英語をご覧ください。
「The train came out of the long tunnel into the snow country」
ずばり、上の英語と関連が深い作品は、次の3つのうちどれでしょう?
- ディズニー映画『アナと雪の女王』
- 石川さゆりの曲『津軽海峡・冬景色』
- 川端康成の小説『雪国』
答え
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正解は「1.川端康成の小説『雪国』」です。
設問の英文は『雪国』の有名な冒頭文「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」を、翻訳家・サイデンステッカーが訳したものです。「tunnel(トンネル)」と「snow country」がヒントになっていました。
川端康成は日本人初のノーベル文学賞受賞者として有名ですが、彼がノーベル賞を受賞できたのは、サイデンステッカーの名訳があったからとも言われています。
ノーベル賞の選考委員が、必ずしも日本語に堪能とは限らないからです。翻訳家が重要な役割を果たしている例だと言えますね。
ちなみに、ノーベル文学賞の選考は、ノーベルの遺言によって「スウェーデン・アカデミー」という団体が行なっており、会員の多くはスウェーデン人です。そのため、会員が読めない言語で書かれている作品は、英語のほか、スウェーデン語やフランス語などに翻訳されたものが読まれているとされています!
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※ページ内で紹介している情報は変更になる場合があります。最新情報は公式サイトなどでご確認ください
参考URL
- International Translation Day – United Nations(国際連合)
- 国際デー – 国際連合広報センター
- ヒエロニムス – コトバンク
- 吉海 直人「『雪国』冒頭をめぐって」 – 同志社女子大学
- 北条常久「翻訳された川端康成『雪国』」 – 一般財団法人 秋田経済研究所
- 大木ひさよ「川端康成とノーベル文学賞 -スウェーデンアカデミー所蔵の選考資料をめぐって-」 – 佛教大学
- 受賞者はどうやって選ばれるの?(ノーベル賞文学賞) – NHK
- International Federation of Translators – 国際翻訳家連盟(世界翻訳の日)
- 『翻訳の⽇』に寄せて – ⼀般社団法⼈ ⽇本翻訳連盟(JTF)
- 一般社団法人 日本記念日協会(翻訳の日) – 公式サイト