「馬の耳に念仏」は「ありがたいことを言い聞かせても、まったく効果がないこと」のたとえに使われることわざです。
このページでは、「馬の耳に念仏」と似た意味のことわざを紹介します。
犬に論語(ろんご)
「犬に論語」は「道理を説き聞かせても効果がなく無駄なこと」のたとえに使われます。
「論語」は中国の思想家・孔子の思想や言動をまとめた書のことです。
兎に祭文(さいもん)
「兎に祭文」も馬の耳に念仏と同じ意味で使われることわざです。
祭文はお祭りのときに、神様の前で唱える祝福の言葉をさします。
牛に経文(きょうもん)
「牛に経文」も、馬の耳に念仏と同じ意味で用いられます。
ここまで出てきたことわざは、すべて「動物+尊い書物(言葉)」という共通点がありますね。
猫に小判・豚に真珠
「馬の耳に念仏」の意味を「値打ちが分からず役に立たないこと」としてとらえて、「猫に小判」や「豚に真珠」を似たことわざとする向きもあります。
先の3つよりも、より身近なもので例えているので、こちらのほうがイメージしやすい人も多いかもしれませんね。
さいごに【馬耳東風】
ちなみに「馬の耳に念仏」は、中国由来の四字熟語である「馬耳東風」がもとになったと言われています。
馬耳東風が、慣用句「馬の耳に風」に変化し、さらに派生して「馬の耳に念仏」になったという流れです。
馬の耳に念仏は「何を言っても聞かない人」や「いくら言っても無駄な人」への愚痴や皮肉にも使われます。幅広い意味を持っていますね!
参考URL・参考文献
- 馬の耳に念仏 – コトバンク
- 令和4年10月入校 府立高等職業技術専門校 入校選考試験問題 – 大阪府
- 『広辞苑 第七版』岩波書店,2018