11月27日は「ノーベル賞制定記念日」です。
ダイナマイトの発明で知られるスウェーデンの実業家、アルフレッド・ノーベルが1895年の今日、ノーベル賞設立のもととなった自身の遺言(Alfred Nobel’s Will)に署名したことに由来します。

アルフレッド・ノーベル01
▲アルフレッド・ノーベル(1833-1896)

ノーベルは遺言の中で、個人に残す分を除いた彼の遺産から上がる利子を5等分し、国籍を考慮せずに物理学、化学、生理学・医学、文学、平和への貢献の5分野で「前年に人類に最大の貢献をもたらした人々」に賞を贈ると記していました。

ノーベルの遺言01
▲ノーベルの遺言(1895年11月27日付)

ノーベル賞の最初の授与は、ノーベルの5回目の命日にあたる1901年12月10日に行なわれ、以下の面々が受賞しています。

第1回ノーベル賞受賞者
  • ノーベル物理学賞
    ヴィルヘルム・コンラッド・レントゲン
    (X線の発見)
  • ノーベル化学賞
    ヤコブス・ヘンリクス・ファント・ホッフ
    (化学動力学と浸透圧の法則の発見)
  • ノーベル生理学・医学賞
    エミール・アドルフ・フォン・ベーリング
    (ジフテリアの血清療法に関する功績)
  • ノーベル文学賞
    シュリ・プリュドム
    (高尚な理想主義と芸術的完成度、心と知性の両方の資質を併せ持つ珍しい詩的構成物に対して)
  • ノーベル平和賞
    ジャン=アンリ・デュナン
    (国際赤十字の創設、ジュネーヴ条約の発案)
    フレデリック・パシー
    (列国議会同盟や国際平和会議の創設を主導)
  • [参考]ノーベル経済学賞(1969年)
    ラグナル・フリッシュ
    (経済過程分析に対する動学的モデルの開発と応用)
    ヤン・ティンバーゲン
    (同上)

▲経済学賞は1969年にスウェーデン国立銀行によって新設されました


日本人初のノーベル賞受賞者は?

日本人で初めてノーベル賞を受賞したのは湯川秀樹です。
1949年(昭和24年)に「原子核の理論的研究に基づく中間子の存在の予言」により、ノーベル物理学賞を受賞しています。

湯川秀樹01
▲湯川秀樹(ゆかわひでき・1907-1981)

そのほかの部門の日本人としての初受賞者は川端康成(文学賞/1968年)、佐藤栄作(平和賞/1974年)、福井謙一(化学賞/1981年)、利根川進(生理学・医学賞/1987年)です。経済学賞を受賞した日本人はまだいません。

日本人のノーベル賞受賞者一覧
  1. 真鍋叔郎(物理学賞/2021年)
    地球の気候をコンピュータで再現する方法を開発
  2. 吉野彰(化学賞/2019年)
    リチウムイオン電池の開発に成功
  3. 本庶佑(生理学・医学賞/2018年)
    免疫を抑える働きを阻害することでガンを治療する方法の発見
  4. 大隅良典(生理学・医学賞/2016年)
    オートファジー(自食作用)の存在を解明
  5. 梶田隆章(物理学賞/2015年)
    ニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動の発見
  6. 大村智(生理学・医学賞/2015年)
    熱帯地域の寄生虫病の特効薬開発に成功
  7. 中村修二(物理学賞/2014年)
    青色発光ダイオードの開発に成功
  8. 赤崎勇(物理学賞/2014年)
    同上
  9. 天野浩(物理学賞/2014年)
    同上
  10. 山中伸弥(生理学・医学賞/2012年)
    iPS細胞の開発に成功
  11. 鈴木章(化学賞/2010年)
    有機合成におけるパラジウム触媒を用いたクロスカップリング成功の功績
  12. 根岸英一(化学賞/2010年)
    同上
  13. 下村修(化学賞/2008年)
    緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と開発
  14. 小林誠(物理学賞/2008年)
    「CP対称性の破れ」を理論的に説明した「小林・益川理論」を提唱
  15. 益川敏英(物理学賞/年)
    同上
  16. 南部陽一郎(物理学賞/2008年)
    「自発的対称性の破れ」の発見
  17. 田中耕一(物理学賞/2002年)
    生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発
  18. 小柴昌俊(物理学賞/2002年)
    素粒子観測装置「カミオカンデ」で素粒子ニュートリノを世界で初めて観測
  19. 野依良治(化学賞/2001年)
    ルテニウム錯体触媒による不斉合成反応の研究
  20. 白川英樹(化学賞/2000年)
    電気を通すプラスチック、ポリアセチレンの発見
  21. 大江健三郎(文学賞/1994年)
    現実と神話が混交、融合する世界を詩的言語で創造
  22. 利根川進(生理学・医学賞/1987年)
    抗体の多様性生成の遺伝的原理の発見
  23. 福井謙一(化学賞/1981年)
    化学反応と分子の電子状態に関する「フロンティア電子理論」を樹立
  24. 佐藤栄作(平和賞/1974年)
    首相在任時に非核三原則を提唱するなど、太平洋地域の平和に貢献
  25. 江崎玲於奈(物理学賞/1973年)
    半導体におけるトンネル現象の実験的発見
  26. 川端康成(文学賞/1968年)
    日本の精神の本質を表現する偉大な感性で描かれた物語の創作
  27. 朝永振一郎(物理学賞/1965年)
    「くりこみ理論」の完成
  28. 湯川秀樹(物理学賞/1949年)
    原子核の理論的研究に基づく中間子の存在の予言
ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

最後までご覧いただきありがとうございます。ちなみに、全受賞者のうち最年少受賞者は17歳でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイ(パキスタン)。最年長受賞者は97歳でノーベル化学賞を受賞したジョン・グッドイナフ(アメリカ)です

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