11月23日は「勤労感謝の日」。1年で最後の国民の祝日です。

勤労感謝の日とは?【意味】

昭和23年(1948年)7月20日公布の「国民の祝日に関する法律(祝日法)」で、勤労感謝の日は「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日と定めています。

日本国旗01
▲勤労感謝の日は、祝日法制定当初に定められた計9日の「国民の祝日」の1つです

勤労感謝の日の由来は?

祝日法が制定される前、11月23日は祭日の新嘗祭にいなめさいとして休日になっていました。
新嘗祭は、宮中で行なわれる恒例祭典の中で最も重要なもので、天皇が新穀を天神地祇にお供えして感謝したあと、自らもその新穀を食する祭儀です。

宮中三殿01
▲宮中三殿。新嘗祭は宮中三殿に附随する神嘉殿で行なわれます via Wikimedia Commons 宮内庁 CC BY-SA 4.0

そのような歴史もあり、祝日法制定前に行なわれた世論調査では「新穀祭」「新穀感謝の日」「収穫祭」といった名称が用いられていました。
しかし、その後の国会での審議で少しずつ名前が修正されていき「勤労感謝の日」になったのです。

「勤労感謝の日」になるまでの流れ
  • 新嘗祭
    11月23日のもともとの祭日・休日
  • 新穀祭・新穀感謝の日・収穫祭
    世論調査のときの名前。もっとも支持を得た名称は「新穀祭」
  • 生産感謝の日
    海の生産や、山の生産も考慮すべきとの希望を受けて「生産感謝の日」で文化委員会の賛成を得る
  • 感謝の日
    生産という言葉が少し堅苦しい、しっくりこないという理由で「生産」が削られる
  • 労働感謝の日・勤労感謝の日
    「感謝の日」だけでは漠然として分からないとして、2つの修正意見が出る
  • 勤労感謝の日
    衆参両委員会の打合会で「勤労感謝の日」が大多数となる

ちなみに、文化委員会では「5月1日のメーデーを祝祭日にしたい」という希望も出ていました(メーデー=労働運動の国際的記念日)。
「労働・勤労」という言葉は、この流れを汲んで付いたと考えることができそうです。

結局、何に(誰に)感謝するの?

祝日法と、その制定までの経緯をふまえると、勤労感謝の日は「勤労者や収穫物・生産物に感謝する日」だと言えるでしょう。

なお、勤労には「心身を労して勤めにはげむこと」という意味があり、「勤めにはげむ」には「力を尽くして任務や義務を行なう」などの意味があります。
仕事をする人だけでなく、家事・育児に励む人や、夢に向かって勉強している人など、「頑張っている人」に対して改めて尊敬の心を持ちたいですね。

感謝の輪01
▲感謝の輪を広げよう!

関連ページ▼

参考URL・参考書籍