11月24日は「鰹節の日」です。
かつおぶしのトップメーカーで、鍋つゆ・めんつゆでもおなじみのヤマキ株式会社(愛媛県伊予市)によって制定されました。
日付の由来は「いい(11)ふ(2)し(4)= いい節」の語呂合わせから。
かつお節の魅力や美味しさ、上手な使い方などを多くの人に知ってもらうのが目的で、この時期にはX(Twitter)でのキャンペーンなどが行なわれます。
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11/28(火)23:59迄— 鰹節屋・だし屋、ヤマキ。 (@yamaki_official) November 20, 2023
鰹節の歴史は?
起源
カツオ自体は古くから日本人の食用となっており、縄文時代前期・中期の大規模な集落である「一王寺遺跡」(青森県八戸市)からは、カツオやマグロなどの魚の骨が多数出土しています。
また、日本の古い文献では天平宝字元年(757年)に施行された「養老令」の注釈書(令集解)に「煮堅魚」などの名前が見られます。
煮堅魚は現在の鰹節の原形ともいえる、カツオを煮てから干したもので、各地の産物を納めさせる(租庸調の)調として指定されていました。
「是川石器時代遺跡」を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、令和3年(2021年)7月27日に世界遺産(世界文化遺産)に登録されています!
中世~江戸時代
「花鰹」の文字が初めて登場した文献は、室町時代中期の料理書『四条流庖丁書』です。
クラゲの和え物のところで花鰹を加える記述が見られ、当時から花鰹が活用されていた様子が窺えます。
戦国時代には、梅干しとともに携帯しやすい兵食として広がり、名前の語呂「勝男武士」とも相まって、縁起の良い貴重な食材としての地位を確立したようです。
徳川家康に仕えて戦功をあげた大久保彦左衛門(大久保忠教)は、著作『三河物語』の中で「鰹節の上皮を削って帯にはさみ、戦の前やひもじいときに噛めばことのほか力になる」と記しています。
燻乾法の考案~現在
現在の鰹節と同様のものが作られるようになったのは、1600年代の終わりごろです。
紀州印南(和歌山県印南町)出身の漁民・角屋甚太郎が、煙で燻して乾燥させる「燻乾法」や、青カビをつけて日光乾燥を繰り返す「燻乾カビ付け製法」を土佐で考案しました。
甚太郎の製法は、同じく印南漁民である森弥兵衛と印南與一(土佐與一)によって枕崎、房総、伊豆に伝授され、その後日本各地に広がっていきました。
令和4年における国内産の鰹節生産量は年間2万5千トン弱で、そのうちの約72%を鹿児島県、残りのほとんど(約27%)を静岡県で生産しています。中でも鹿児島県枕崎市は、全国の約5割の鰹節を生産していることで有名です。
関連ページ▼
- >>鍋の日(11月7日)(こちらもヤマキが制定)
- >>おだしの日(10月28日)(角屋甚太郎の命日)
- >>[次の日]金型の日(11月25日)
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※ページ内で紹介しているイベント・キャンペーンなどは終了している場合があります。最新情報は公式サイト等でご確認ください
参考URL・参考書籍
- 11月24日は和食の日・鰹節の日!健康とおいしさが調和する日本の伝統食を味わおう – ヤマキ かつお節プラス®
- 一般社団法人 日本記念日協会(協会認定記念日) – 公式サイト
- 一王寺(1)遺跡 – 第15回 平成28年度 遺跡調査報告会 – 八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館
- 第1章 「だし」以前の鰹と昆布|本の万華鏡 第17回 日本のだし文化とうま味の発見 – 国立国会図書館
- 伝統食材”かつお節(鰹節)”とは(歴史) – 一般社団法人日本鰹節協会
- 大久保彦左衛門│日本の食文化と偉人たち – キリンホールディングス
- 鰹節発祥の地・印南。漁民3人衆の功績を訪ねる – わかやま歴史物語(和歌山県観光振興課)
- 出汁素材「かつお節」Ⅱ – 関西おだし専門店 だし蔵
- 水産加工統計調査 – 農林水産省
- 鰹節のデータ – さつま鰹節協会
- 『広辞苑 第七版』岩波書店,2018
▲枕崎産の鰹節。カビ付け・日干を4回以上繰り返して完成するものが「本枯節」です