昭和2年(1927年)の今日12月30日、日本初・東洋初の地下鉄として東京地下鉄道が営業を開始しました。区間は浅草~上野間の2.2kmで、現在の東京メトロ銀座線にあたります。
開業当時の運賃は浅草~上野間が10銭の均一運賃で、十銭の白銅貨を受け口に入れると通過できる「ターンスタイル」の自動改札機が設置されていたそうです。

日本の地下鉄開業当時の1000形1編成
▲開業当時の地下鉄車両1000系1号車。国指定重要文化財として地下鉄博物館で復元保存されています via Wikimedia Commons Rs1421 CC BY-SA 3.0(トリミング済)


地下鉄の父・早川徳次とは?

早川徳次(地下鉄の父)01
▲早川徳次(1881-1942) via Wikimedia Commons public domain

日本最初の地下鉄を実現したのは「地下鉄の父」こと早川徳次のりつぐです。徳次は大正3年(1914年)に、欧米の交通事情を視察するために訪欧。イギリスのロンドンで目撃した地下鉄に衝撃を受け、「いまに東京の地下は蜘蛛の巣の様に地下鉄が縦横に走る時代が必ず来る」と述べたと言われています。

徳次は「鉄道王」の異名をとる根津嘉一郎かいちろうや渋沢栄一らの支援を受けながら、大正6年(1920年)に東京地下鉄道(当時の名前は東京軽便地下鉄道)を設立しました。大正12年(1923年)の関東大震災などのアクシデントを乗り越えて、昭和2年の浅草~上野間の地下鉄開業を実現したのです(当初は上野~新橋間5.8kmの建設を計画していたそうです)。

東京地下鉄道1001号の車内
▲開業当時の地下鉄の車内(地下鉄博物館の復元保存車)via Wikimedia Commons Rs1421 CC BY-SA 3.0(画像をトリミングしています)

開業当初の車内の様子(上の写真)を見てみると、客室灯には間接照明が採用され、塗装には木目柄が用いられるなど暖かみを感じられるような配慮がなされていました。あまりに綺麗で清潔だったため、下駄を脱いで乗車したお客さんもいたと言われています。レトロでおしゃれですね。
また、不燃対策として鋼鉄製の車体や難燃性の内張り材料を使用したほか、追突事故などを防止するための自動列車停止装置やドアの自動開閉方式を採用するなど、安全度も高かったようです。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

余談ですが、総合家電メーカー・シャープ(SHARP)の創業者の名前も早川徳次(1893-1980)です。ただしこちらは「とくじ」と読みます

東京メトロの路線開業年表

前身を含め、東京メトロの路線別の開業年表をまとめました。銀座線の次に開業したのは丸ノ内線(池袋~御茶ノ水間)で、第二次世界大戦後のことでした。一番新しいのは平成20年に開業した副都心線(池袋~渋谷間)です。記憶に新しい人もいらっしゃるかもしれませんね。

路線名開業区間など
昭和2年
(1927年)
銀座線浅草~上野間
(~渋谷は昭和14年)
昭和29年
(1954年)
丸ノ内線池袋~御茶ノ水間
(全線開業は昭和37年)
昭和36年
(1961年)
日比谷線南千住~仲御徒町間
(全線開業は昭和39年)
昭和39年
(1964年)
東西線高田馬場~九段下間
(全線開業は昭和44年)
昭和44年
(1969年)
千代田線北千住~大手町間
(全線開業は昭和53年)
※綾瀬~北綾瀬間はS54
昭和49年
(1974年)
有楽町線池袋~銀座一丁目間
(全線開業は昭和63年)
昭和53年
(1978年)
半蔵門線渋谷~青山一丁目間
(全線開業は平成15年)
平成3年
(1991年)
南北線駒込~赤羽岩淵間
(全線開業は平成12年)
平成20年
(2008年)
副都心線池袋~渋谷間
ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

銀座線の行政上での呼び名(路線番号)は「3号線銀座線」です。最初に開通したのになぜ3号線?と思いましたが、1925年に東京市が国に整備計画を申請した際に、1~5号線は品川駅に近いところから山手線に沿って時計回りで番号を付けたからだそうです。ちなみに、1号線は都営浅草線になっています

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。
このページの要点をまとめました。

  • 昭和2年(1927年)12月30日、東洋初の地下鉄が浅草~上野間(現在の東京メトロ銀座線)で営業を開始した
  • この地下鉄を実現したのは「地下鉄の父」と呼ばれる早川徳次(のりつぐ)だった
  • 銀座線の次に開業したのは丸ノ内線で、一番新しいのは副都心線

開業当時の地下鉄の車内がとてもオシャレでびっくりしました。僕も一度、地下鉄博物館に足を運んでみたいものです。地下鉄博物館は東京メトロ東西線の葛西駅高架下にありますよ(車内はイベント時のみ開放)。

関連ページ▼

参考URL