仕事や学校のメールで「教授する(ご教授)」や「教示する(ご教示)」という言葉がよく出てきます。
具体的には「ご教授ください」や「ご教示いただけますと幸いです」といった感じですね。
この2つの言葉には、どんな意味があって、どんな違いがあるのでしょうか?
このページには、「教授する」の意味・例文や、「教示する」との違い&使い分け方についてまとめておきます。
さっそく順番にいきますね。
「教授する」の意味は?
「教授する」には「学術や技芸などを教える」といった意味があります。
もっと言うと、「専門的な」学問や技芸などを「継続的に」教えるという意味合いで使われるケースが多いです。
(大学教授という言葉もありますよね!)
なので、「教授する」は教授が扱うくらい専門的なことを教える(教わる)場面で使うと、しっくりくるのではないでしょうか。
もちろん、大学教授に限らず、何かしらの「その道の専門家」が教える(教わる)状況でも使えそうです!
「教授する」の使い方・例文
今言った意味をふまえると、「教授する」は大学や教室などの「学びの場」で使うことが多くなります。
例文を見てみましょう。
「教授する」を使った例文 |
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一番上の文章はともかく、下3つには、学びの場で「自分よりも目上の人に教えてもらう」ときに使えそうな例文が並んでいますね。
この場合の「目上の人」にあたるのは「教授・先生・師範・コーチ」といった人たちです。
とはいえ、一番下の例文(これからご教授いただけましたら幸いです)は、ビジネスシーンでも使えそうです。
例えば、自分が新しい部署に異動したときに、異動先の上司や先輩に対して挨拶するときなどですね。
「教示する」との違いは?【使い分け】
復習になりますが、「教授する」とは「専門的な学問や技芸などを継続的に教える」という意味です。
それに対し「教示する」には「知識や方法などを教え示す」という意味があります。
もっと言うと「すぐに伝えられる」知識や方法などを「シンプルに」教え示すという意味合いで使われることが多いですね。
「教示する」を使った例文 |
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▲「教示する」の例文と言いつつ「ご教示」がズラリ。使われる場面を想定すると、こうなります
で、例文をふまえたうえで…
「教授する」と「教示する」の使い分け方としては、体系立てて学ぶ必要のあるものには「教授する」を。
日程や手順など、簡単な情報のやり取りで済むもの(済ませたいもの)には「教示する」を使うのが良さそうです。
加えて「メールのやり取り」という観点から見ると、メールだけで教えるのが難しい(≒対面指導が必要になってくる)ものには「教授する」を。メールを1回、あるいは多くても複数回やり取りすれば事足りそうなものには「教示する」を使う、といった使い分けもできそうですね
まとめ【類語・言い換え】
最後までご覧いただきありがとうございます。
このページの要点をまとめました。
- 「教授する」には「専門的な学問や技芸を継続的に教える」といった意味合いがある
- 似た言葉の「教示する」には「知識や方法をシンプルに教え示す」といった意味合いがある
- 時間をかけて学ぶものには「教授する」を。簡単なやり取りで済むものには「教示する」を使うのがおすすめ
なお「教授する」の類語には、途中で出てきた「指南する」や「指導する」などがあります。
しっくりくる表現に置き換えてみるのも良さそうです。
「教授する」の類語と意味 | |
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指南する | 武術・芸能などを教え示す |
指導する | ある目的・方向に向かって教え導く |
手ほどきする | 学問や技術などの初歩を教える |
そして、どれを使うか迷ったら、より平易な表現の「教える」や「教えていただけますか?」に言い換えるという選択肢もあります。
僕のまわりには「こちら(=教える)のほうが変にかしこまってなくてイメージがよい」という人も多いですよ。たしかに柔らかい印象を受けますね。
ちなみに「キョウジュする」の変換候補によく出てくる「享受する」は「利益などを自分のものにすること」という意味です。「教授する」とはかなり意味が違ってきますね!
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参考文献、参考URL