教授するの意味01

仕事や学校のメールで「教授する(ご教授)」や「教示する(ご教示)」という言葉がよく出てきます。

具体的には「ご教授ください」や「ご教示いただけますと幸いです」といった感じですね。
この2つの言葉には、どんな意味があって、どんな違いがあるのでしょうか?

このページには、「教授する」の意味・例文や、「教示する」との違い&使い分け方についてまとめておきます。
さっそく順番にいきますね。


「教授する」の意味は?

学生を教授する教授
▲学生を「教授する」

「教授する」には「学術や技芸などを教える」といった意味があります。

もっと言うと、「専門的な」学問や技芸などを「継続的に」教えるという意味合いで使われるケースが多いです。
(大学教授という言葉もありますよね!)

なので、「教授する」は教授が扱うくらい専門的なことを教える(教わる)場面で使うと、しっくりくるのではないでしょうか。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

もちろん、大学教授に限らず、何かしらの「その道の専門家」が教える(教わる)状況でも使えそうです!

「教授する」の使い方・例文

今言った意味をふまえると、「教授する」は大学や教室などの「学びの場」で使うことが多くなります。
例文を見てみましょう。

「教授する」を使った例文
  • 教授は専攻分野について、教育上または実務上の特に優れた知識、能力および実績を有する者であって、学生を教授する
    (学校教育法第百二十条より)
  • いつもご教授いただき、ありがとうございます
  • 今後ともご教授のほど、よろしくお願いいたします
  • これからご教授いただけましたら幸いです

一番上の文章はともかく、下3つには、学びの場で「自分よりも目上の人に教えてもらう」ときに使えそうな例文が並んでいますね。
この場合の「目上の人」にあたるのは「教授・先生・師範・コーチ」といった人たちです。

剣道を「指南する(教授する)」01
▲武道の場合は「指南する」という言葉もよく使われます

とはいえ、一番下の例文(これからご教授いただけましたら幸いです)は、ビジネスシーンでも使えそうです。
例えば、自分が新しい部署に異動したときに、異動先の上司や先輩に対して挨拶するときなどですね。

「教示する」との違いは?【使い分け】

「教授する」と「教示する」の意味の違い01

復習になりますが、「教授する」とは「専門的な学問や技芸などを継続的に教える」という意味です。

それに対し「教示する」には「知識や方法などを教え示す」という意味があります。
もっと言うと「すぐに伝えられる」知識や方法などを「シンプルに」教え示すという意味合いで使われることが多いですね。

「教示する」を使った例文
  • 明日の会議に必要な資料などありましたら、ご教示いただけましたら幸いです
  • 添付のフォーマットへの入力方法について、ご教示いただければと思います
  • フォーラムのタイムスケジュールについて、ご教示くださいませ
  • 問題集135ページ「問3」の解法を、ご教示いただけますでしょうか

▲「教示する」の例文と言いつつ「ご教示」がズラリ。使われる場面を想定すると、こうなります

で、例文をふまえたうえで…
「教授する」と「教示する」の使い分け方としては、体系立てて学ぶ必要のあるものには「教授する」を。
日程や手順など、簡単な情報のやり取りで済むもの(済ませたいもの)には「教示する」を使うのが良さそうです。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

加えて「メールのやり取り」という観点から見ると、メールだけで教えるのが難しい(≒対面指導が必要になってくる)ものには「教授する」を。メールを1回、あるいは多くても複数回やり取りすれば事足りそうなものには「教示する」を使う、といった使い分けもできそうですね

まとめ【類語・言い換え】

最後までご覧いただきありがとうございます。
このページの要点をまとめました。

  • 「教授する」には「専門的な学問や技芸を継続的に教える」といった意味合いがある
  • 似た言葉の「教示する」には「知識や方法をシンプルに教え示す」といった意味合いがある
  • 時間をかけて学ぶものには「教授する」を。簡単なやり取りで済むものには「教示する」を使うのがおすすめ

なお「教授する」の類語には、途中で出てきた「指南する」や「指導する」などがあります。
しっくりくる表現に置き換えてみるのも良さそうです。

「教授する」の類語と意味
指南する武術・芸能などを教え示す
指導するある目的・方向に向かって教え導く
手ほどきする学問や技術などの初歩を教える

そして、どれを使うか迷ったら、より平易な表現の「教える」や「教えていただけますか?」に言い換えるという選択肢もあります。

僕のまわりには「こちら(=教える)のほうが変にかしこまってなくてイメージがよい」という人も多いですよ。たしかに柔らかい印象を受けますね。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

ちなみに「キョウジュする」の変換候補によく出てくる「享受する」は「利益などを自分のものにすること」という意味です。「教授する」とはかなり意味が違ってきますね!

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参考文献、参考URL