「老舗」の正しい読み方は「しにせ」もしくは「ろうほ」です。「しにせ」は熟字訓(当て字)、「ろうほ」は音読みを組み合わせた読み方で、どちらも広辞苑の見出し語に採用されています。
「老舗」の意味(広辞苑から抜粋) |
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【老舗】しにせ・ろうほの使い分けは?
傾向として、文章の中で用いられる場合はしにせ、固有名詞(店名など)に使われる場合はろうほと読むことが多いです。
テレビ番組でも、文章内では「創業200年の老舗(しにせ)」「老舗(しにせ)ののれんを守る店主」などとナレーションをあてるケースが多く見られます。
いっぽう、老舗(ろうほ)と読むお店は、上の写真の高木屋老舗のほか、京都祇園の「かづら清老舗」などが有名です。
老舗(ろうほ)と読むお店の例 |
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▲高木屋老舗は映画『男はつらいよ』の寅さんの故郷としても知られます
まとめ【アナウンサーでも知らない「ろうほ」】
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このページの要点をまとめました。
- 老舗の読み方は「しにせ」もしくは「ろうほ」
- 老舗には「先祖代々から続くお店」という意味がある
- 文章内ではおもに「しにせ」と読み、お店の名前に使われる場合は「ろうほ」と読む傾向にある
以前、フリーアナウンサーの有働由美子さんが、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で「老舗(ろうほ)という読み方を知らなかった」という旨を口にして、それがニュースになったことがありました。それもふまえると、とくにこだわりがない限り、固有名詞以外であえて「ろうほ」と読む必要はないのかもしれません。
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参考書籍・参考URL
- 『漢検 漢字辞典 第二版』公益財団法人 日本漢字能力検定協会,2014
- 『広辞苑 第七版』岩波書店,2018
- 小学校5年生の教科書に「熟字訓」が出てくるのですが、「当て字」と「熟字訓」とは、どう違うのですか? – 漢字文化資料館(大修館書店)
- 「男はつらいよ」寅さんの実家モデルで有名なだんご屋は今 – 日刊ゲンダイDIGITAL
- 松河屋老舗 – なごや和菓子旅(名古屋商工会議所 商務交流部)
- 都の逸品めぐり 祇園・西陣・錦・御所 – 京都ぶらり歴史探訪(BS朝日)
- 宇賀なつみアナ、焼きたての美味しさに感動!佐賀県・唐津市で168年間愛されてきた銘菓 – テレ朝POST
- 「老舗」何と読む? 有働由美子が驚き「知らなかった。調べ直してみます」 – スポニチ Sponichi Annex 芸能
▲大原老舗の松露饅頭。松林に生える松露(しょうろ)というキノコによく似ていることから、江戸時代に当時の藩主が名付けたと言われています