旅客は「りょかく」「りょきゃく」どちらの読み方も間違いではありません。NHKによると、平成以降に発刊・改訂された22冊の辞典すべてに「りょかく」と「りょきゃく」両方の表現が記載されています。どちらで読んでも大丈夫なんですね。よかった!

積み上げた辞書01
▲すべての辞典に「りょかく」と「りょきゃく」両方の読みが載っています(イメージ)

ちなみに、22冊の辞典のうち「りょかく」を主見出しとしているのは20冊で、「りょきゃく」を主見出しとしているのはわずか2冊でした。広辞苑でも「りょかく」が主見出しで「りょきゃく」は空見出しになっています。

旅客の意味(広辞苑より抜粋)
  • りょかく【旅客】
    旅行する人。交通機関に乗る客。
  • りょきゃく【旅客】
    ⇒りょかく
ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

ただし、2020年に行われた「『旅客の安全を第一に考える』をどう発音するか?」という調査では、「リョキャク(62%)」と読む人が「リョカク(36%)」と読む人を上回りました(NHKのサイトより)。「旅客」単体で読む場合には、「リョキャク」と発音する人が多いようです


「旅客機」の読み方は?

「りょかく」と「りょきゃく」どちらの読みもあることから、「旅客機」の読み方も、理論上は「りょかくき」と「りょきゃくき」のどちらでも良いということになります。
ただし、実際には発音のしやすさから「りょかくき」あるいは「りょかっき」と読まれることが多いようです。このほか「りょきゃっき」と読むこともできます。

旅客機の読み方01
▲「旅客機」は「りょかくき」あるいは「りょかっき」と読むことが多い

同じように「旅客ターミナル」や「旅客運賃」も、「りょかく」と「りょきゃく」どちらで読んでもOK(=間違いではない)ということになります。僕は旅客機と旅客ターミナルは「りょかく」のほうが。旅客運賃は「りょきゃく」のほうが発音しやすいですが、個人差があるはずです。これを読んでいるあなたは、どちらが発音しやすいですか?

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

ちなみに、記事タイトルの「東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)」は、国土交通省の資料で「ひがしにほんりょかくてつどうかぶしきがいしゃ」とふりがなが付けられています。もしかしたら、読み方を問うクイズ番組などで出題されるかもしれませんね!

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。
このページの要点をまとめました。

  • 旅客の読み方は「りょかく」と「りょきゃく」どちらでも良い
  • 単体で読まれる場合は「りょきゃく」と読む人がやや多い
  • 「旅客機」などと組み合わせて使う場合は、発音のしやすさから「りょかく」と読まれることが多い

こういった語形のゆれがあるものは、はっきりとした正解が存在しないのが、面白くもあり悩ましくもありますね。空港などで働いている人たちが、普段どんな言葉遣いをしているか聞いてみるのも面白いかもしれません。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

おまけ! いろいろと調べる限り「客(カク)」と読む場合は「旅人」の意味で。「客(キャク)」と読む場合は「招かれてきた人や商売の相手」の意味で使われており、もともと旅客は「りょかく」と読まれていました。しかし、単独語の客が「キャク」と読まれることや、旅をするために電車や飛行機に乗る人が前者と後者のどちらにも該当するため「りょきゃく」という読み方も一般的になったようです!

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