木へんに夏の漢字「榎」の読み方は、音読みで「カ」、訓読みで「えのき」です。
漢字は植物としての榎(エノキ)や、キノコの榎茸(エノキタケ)に使われるほか、名字では榎本(えのもと)榎並(えなみ)などに、名前では榎奈(かな)などに使われます。

漢字音読み・訓読み
[音]
[訓] えのき

▲総画数は14画。漢検準1級相当の漢字です


榎(エノキ)【アサ科の落葉高木】

榎(エノキ)の葉
▲榎(エノキ)の葉 via Wikimedia Commons public domain

榎(エノキ)はアサ科(旧ニレ科)の落葉高木です。関東以南の暖地に多く、高さ約10~20m、幹の直径は1~3mになります。初夏に淡黄色の花を咲かせ、木材は家具や薪炭などに用いられます。江戸時代に、松(マツ)とともに街道の一里塚に植えられていたことでも有名です。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

東京競馬場の第3コーナーにある通称「大欅(ケヤキ)」は、実は榎(エノキ)だと言われています。競馬ファンには意外と知られた(?)雑学です!

東京競馬場の大欅(榎)01
▲東京競馬場の大欅(榎)via Wikimedia Commons Cake6 CC BY-SA 3.0(画像をトリミングしています)

榎茸(エノキタケ)

エノキタケ(榎茸)01
▲榎茸(エノキタケ)

バターしょうゆ炒めや、鍋の具材などでおなじみのエノキタケは、漢字で「榎茸」と書きます。私たちが食べている白くて細いエノキタケは、日光を当てずに栽培したもので、野生種は茶褐色で粘性があり、ナメコによく似ています。

野生の榎茸(エノキタケ)01
▲野生の榎茸(エノキタケ)via Wikimedia Commons Doug Bowman CC BY 2.0(画像をトリミングしています)

名字・名前としての「榎」は?

榎を使った名字(苗字)には、榎木(えのき)、榎本(えのもと)、榎並(えなみ)などがあります。
歴史の教科書にも登場する、ロシアと樺太千島交換条約を結んだ政治家・榎本武揚(えのもと たけあき)や、フジテレビアナウンサーの榎並大二郎(えなみ だいじろう)さんなどが有名です。

榎本武揚02
▲榎本武揚。戊辰戦争では函館・五稜郭で新政府軍に抗しました

いっぽう、名前としての「榎」は2004年(平成16年)に人名用漢字に追加されました。榎を使った名前には、榎奈(かな)や七榎(ななか)などがあります。

「榎」を使った名字
榎・榎木(えのき)、榎園(えのきぞの)、榎田(えのきだ)、榎津(えのきづ)、榎戸(えのきど)、榎谷(えのきや)、榎屋(えのきや)、榎倉(えのくら)、榎沢(えのさわ)、榎下(えのした)、榎本(えのもと)、榎吉(えのよし)、榎並(えなみ)、榎原(えはら・えばら)、榎森(えもり)、大榎(おおえのき)

【さいごに】木へんに春夏秋冬

最後までご覧いただきありがとうございます。
木へんに夏だけでなく、木へんに春・秋・冬を付けた漢字(植物)もあります。一気にどうぞ!

漢字音読み・訓読み
椿[音] チン
[訓] つばき
[音]
[訓] えのき
[音] シュウ
[訓] ひさぎ・ごばん
[音] シュウ
[訓] ひいらぎ

楸(ヒサギ)は、キササゲまたはアカメガシワのことをいった、かなりマイナーな漢字です。覚えておくと漢検や(1級相当)、漢字クイズの時にだけ役に立つかもしれません(?)

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