12月12日は漢字の日です。
「12(いいじ)月12(いちじ)日」の語呂合わせから、1995年(平成7年)に日本漢字能力検定協会によって制定されました。
「毎年『いい字(12)』を『一字(12)』は覚えてほしい」という願いが込められています。毎年この日に、京都・清水寺で「今年の漢字」が発表・揮毫されることでもおなじみですね。


▲「今年の漢字」公式SNSより

今回は、そんな漢字の日にちなんで、「今年の漢字」歴代一覧をご紹介したあと、漢字クイズを3問出題します。レッツトライ!


「今年の漢字」歴代一覧

最多選出は「金」の4回。そのほか複数回選ばれているのは「災・戦・税」で、それぞれ2回選出されています。

漢字おもな出来事
2023増税・減税の動向に注目が集まる
2022ロシアによるウクライナ侵攻
2021東京オリンピック開催
2020新型コロナウイルス感染症流行
2019新元号「令和」への改元
2018日本各地での大規模自然災害
2017北朝鮮ミサイルの北海道沖落下
2016リオオリンピック開催
2015安全保障関連法が成立
2014消費税が5%から8%に
2013東京オリンピック開催決定
2012932年ぶりの広範囲での金環日食
2011東日本大震災、なでしこW杯優勝
2010当時観測史上最高の猛暑
2009民主党による政権交代・新内閣
2008米国オバマ氏が次期大統領に
2007食品の産地偽装問題が相次ぐ
2006悠仁さまご誕生
2005「愛・地球博」開催
2004観測史上最多10個の台風上陸
2003阪神タイガース18年ぶりセ優勝
2002北朝鮮拉致被害者5名が帰国
2001アメリカ同時多発テロ事件
2000シドニーオリンピック開催
1999世紀末現象、1000年代の末
1998和歌山カレー毒物混入事件
1997山一證券などの倒産
1996O-157集団食中毒、狂牛病発生
1995阪神・淡路大震災

▲第1回となる1995年からしばらくは、どちらかというとネガティブな漢字が並んでいるのが印象的です

【Q.1】「日」の成り立ちは?

ここからは漢字の日にちなんで、漢字「漢・字・日」についてのクイズです。
まずは下の画像をご覧ください。

漢字「日」の成り立ち

ご覧のとおり「日」という漢字は、最初は絵のように書いていたのが、しだいに簡単な線で表されるようになり、今の形になりました。
では、このような成り立ちの漢字の呼び方として、正しいのは次のうちどれでしょう?

  1. 犬形文字
  2. 牛形文字
  3. 象形文字

答え



正解は「3.象形文字(しょうけいもじ)」です。「日」のように、物の形をシンプルにして、それを文字としたものを象形文字と呼びます。
「木」「山」「川」「月」も象形文字です。昔から存在している自然のモノばかりですね。

象形文字の例(漢字の成り立ち)
▲象形文字の例と成り立ち

ちなみに「象」には「かたどる(物の形を写しとる)」といった意味があります。また「象」も象形文字です。長い鼻と大きなからだが特徴の、動物のゾウをかたどっています。

漢字の成り立ち4種類
象形文字物の形を抽象化した文字
(木・山・川・月など)
指事文字抽象的な概念を記号にした文字
(上・下・一・二・三など)
会意かいい文字漢字を組み合わせて意味を持たせた文字
(林・明・信・休など)
形声文字音を表す部分と意味を表す部分を組み合わせた文字
(河・晴・清など)
ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

今では、漢字の80%以上が形声文字だと言われています!

【Q.2】「字」は漢検10級に登場!

続いて「字」に関する問題です。
「字」という漢字は、日本漢字能力検定(漢検)10級の出題対象となる文字です。では、漢検10級の対象漢字数として正しいのは、次のうちどれでしょう?

  1. 40文字
  2. 80文字
  3. 120文字

答え



正解は「2.80文字」です。漢検10級のレベルは「小学校1年生修了程度」とされており、80文字が出題対象となっています。おもな出題内容は、漢字の読み、漢字の書き取り、筆順・画数の3ジャンルです。

漢検10級漢字表(80字)

80文字のうち、もっとも画数が多いのは「森」で12画。森には「シン(音読み)」「もり(訓読み)」2通りの読み方があります。

種類意味・特徴
おん読み
  • 昔の中国の発音をもとにした読み方
  • 聞いただけでは意味がわかりづらい
くん読み
  • 漢字の意味を表す日本語の読み方
  • 聞いただけで意味がわかりやすい

【Q.3】「漢」のもともとの意味は?

「漢字」という単語でおなじみの「漢」。では「漢」のもともとの意味とされているのは、次のうちどちらでしょう?

  1. 中国の川の名前
  2. 中国の王朝の名前

どちらも「漢」の意味としては正解ですが、より古いほうをお選びください。

答え



正解は「1.川の名前」です。もともと「漢」は「漢江かんこう漢水かんすい)」という川の名前を意味していました。漢江は中国を流れる大きな川「長江ちょうこう」の最大の支流です。

漢江(漢水)流域地図
▲漢江流域 via Wikimedia Commons Kmusser CC BY-SA 3.0(画像を加工しています)

ところで昔の中国に、劉邦りゅうほうという人物がいました。もともと農民だった劉邦は、兵を挙げて活躍し、漢江の近くに領土を与えられました。その後、劉邦はさらに勢力を拡大して天下を統一。王朝の名前を「漢」としたのです。

劉邦(漢高祖像)
▲劉邦(漢高祖像)via Wikimedia Commons User:Miuki public domain

漢王朝は400年近くも続き、歴代中国を代表する王朝となったため、やがて中国に関する事柄にも「漢」が使われるようになりました。「漢字(中国で作られた文字)」や「漢方(中国から伝わった医術)」などがこれにあたります。

熟語意味
漢人中国の人
漢文中国古来の文章や文学
和魂漢才わこんかんさい日本固有の精神と中国の学問を融合すること

私たちは「漢字」という言葉ばかりを使うので(?)、「なぜ『漢字』の『漢』にさんずいが付いているんだろう」と疑問を抱きがちですが、文字の歴史を振り返ると、ちゃんとした意味があることがよく分かるのではないでしょうか。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。おさらいとして、今回の答えをまとめておきますね。

  1. 「日」という漢字は、物の形をかたどってできたため「象形文字」と呼ばれる
  2. 「字」(や「日」)が含まれる、漢検10級の対象漢字数は「80文字」
  3. 「漢」という字は、もともと「中国の川の名前(=漢江)」を意味していた

冒頭で、漢字の日の由来として「毎年『いい字(12)』を『一字(12)』は覚えてほしい」という願いが込められているとお伝えしましたが、今回は3つのステキな字について学ぶことができました。お疲れさまでした!

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