12月10日は世界人権デー(英語:Human Rights Day)。1948年(昭和23年)のこの日、国連総会で「世界人権宣言」が採択されたことに由来します。
毎年、世界人権デーには世界各国で記念行事が行われます。日本では、12月4日~10日の1週間を「人権週間」として、全国各地でさまざまなイベントを開催しています。
▲東京スカイツリー人権週間特別ライトアップ「SDGsの17色」via YouTube 東京スカイツリー公式(動画は国連デーのときのものです)
それでは、世界人権デーの由来となった「世界人権宣言」とは、いったいどんなものなのでしょうか? 一緒に見ていきましょう。
世界人権宣言とは【由来】
世界人権宣言とは「すべての人・すべての国が達成するべき共通の基準」を宣言したもの。人権や自由を尊重し、確保するのが目的です。
20世紀の2つの世界大戦では、多くの人の命が奪われるとともに、人権を無視するような出来事もたくさん発生しました。この悲劇を繰り返さないよう、1945年(昭和20年)に国際連合が設立されます。
そして3年後の1948年12月10日、人権を守ることが世界平和につながるという考えから、第3回国連総会で「世界人権宣言」が採択されたのです。
世界人権宣言は、全世界に通用する基本的人権の尊重の原則が定められています。2015年(平成27年)に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」も、世界人権宣言を基礎の1つとするものです。
なお「世界人権デー」が定められたのは、世界人権宣言の採択から2年後の1950年(昭和25年)のこと。日本の「人権週間」が定められたのは、世界人権宣言の1年後である1949年のことです。
日本の人権週間のほうが、世界人権デーよりも先に定められていたんですね。
【まとめ】人権への理解を深めよう
最後までご覧いただきありがとうございます。おさらいとして、今回の内容をまとめておきますね。
- 12月10日は「世界人権デー」。1948年の国連総会で「世界人権宣言」が採択されたことに由来する
- 日本では、12月4日~10日の1週間を「人権週間」として様々なイベントが開催される
- 世界人権宣言とは「すべての人・国が達成すべき共通の基準」を宣言したもの
世界人権デーや世界人権宣言についてまとめるにあたり、ハッとさせられる瞬間もあれば、自分が恵まれた環境に置かれていることに感謝する瞬間もありました。
このページが、人権への理解を深めるきっかけになれば幸いです。
関連ページ▼
- >>[次の日]胃腸の日(12月11日)
- >>[前の日]障害者の日(12月9日)
- >>【今日は何の日】記念日一覧へもどる
世界人権宣言の概要【全30条】
- 第1条
人は生まれながらにして自由・平等である - 第2条
すべての人に差別なく権利がある - 第3条
生命・自由・身体の安全の権利がある - 第4条
いかなる形の奴隷も許されない - 第5条
拷問や残虐な扱いは許されない - 第6条
人は皆、法の下で人として認められる - 第7条
法の下に平等であり、差別なく保護を受けられる - 第8条
権利の侵害に対しては、裁判で救済される権利がある - 第9条
公正な手続きによらずに逮捕、拘禁、追放されない - 第10条
独立・公平な裁判所で公正・公開の審理を受けられる - 第11条
裁判で有罪になるまでは無罪が推定される - 第12条
プライバシーは守られる - 第13条
自由に移転・居住できる - 第14条
迫害された人は他国へ避難できる - 第15条
国籍を持つ権利がある - 第16条
結婚し、家庭を作る権利が平等にある - 第17条
公正な手続きによらずに財産権は侵されない - 第18条
思想・良心・宗教は自由である - 第19条
意見および表現は自由である - 第20条
集会および結社の自由がある - 第21条
政治に参加する権利がある - 第22条
社会保障を受ける権利、経済的・社会的および文化的権利がある - 第23条
働くことに関するさまざまな権利がある - 第24条
休息や余暇を楽しむ権利がある - 第25条
十分な生活水準を保ち、生活に困ったら社会保障を受けられる - 第26条
教育を受ける権利がある - 第27条
文化・芸術・科学に関する権利がある - 第28条
権利と自由が実現されるために - 第29条
人々が負うべき義務について - 第30条
権利や自由は、それを破壊するために使うものではない
参考URL