鶏肉のささみと胸肉はよく似ているので、どちらを買うか迷うことも多いです。
このページでは、ささみと鶏むね肉の違いを紹介します。
場所・とれる量の違い
ささみと鶏むね肉は、どちらも「鶏の胸」の肉です。
そのうちササミは、胸肉の奥の竜骨という骨に張り付いた部分をさします。
また、1羽の鶏から取れる肉の割合は、むね肉が全体の34.6%を占めるのに対し、ささみはわずか6.8%となっています。
ささみは胸肉と比較して、希少性の高い部位だといえますね。
味・食感の違いは?
ささみも胸肉も、あっさりとした淡白な味わいが特徴です。
ささみには皮が付いていませんが、胸肉には皮が付いていることも多く、皮と一緒に食べると味やジューシーさを強く感じることができます。
食感については、どちらの肉も柔らかくしっとりしています。ただし、加熱し過ぎると水分量が少なくなり、硬くパサパサになってしまいます。低温でゆっくり調理するのがおすすめです。
ちなみに、ささみには細長い白い筋(腱)があります。加熱したときに肉が縮む原因になったり、食べたときに口に残ったりするので、下ごしらえで取り除くのが一般的です。
味・食感ともに似ている両者ですが、この下ごしらえのひと手間を省略できるという理由で、(ささみよりも)胸肉を買うという人も少なからずいますよ。
▲鶏ささみの筋取り via 白ごはん.comチャンネル
食感について補足しておくと、ささみは胸肉よりも筋繊維(?)の入り方・向きにある程度の規則的があるのでより上品な食感になります。逆に胸肉は食べ応えのある食感が特徴といえるかもしれません!
栄養の違い【カロリー・タンパク質】
ささみは胸肉よりカロリーが低く、脂質も少ないです。そのためダイエットをしている人に、もっとも好まれている部位とされています。
また、どちらもアミノ酸バランスの良いタンパク質を多く含んでいます。より豊富なのは、ささみのほうです(筋トレをしている人にも人気です)。
ささみ | 胸肉 (皮つき) | 胸肉 (皮なし) | |
---|---|---|---|
エネルギー | 98kcal | 133kcal | 105kcal |
タンパク質 | 23.9g | 21.3g | 23.3g |
脂質 | 0.8g | 5.9g | 1.9g |
ビタミンD | 0μg | 0.1μg | 0.1μg |
葉酸 | 15μg | 12μg | 13μg |
▲可食部100gあたりの栄養比較表。胸肉は皮の有無でカロリーや脂質などに差が出ます
そのほかの成分では、抗酸化作用を持つアンセリンやカルノシンも多く含まれています。身体パフォーマンスの向上や、疲労感の改善などに効果が見られることが分かった注目の成分です(※)。
アンセリンやカルノシンについては、消費量の多いムネ肉に関する報告が多数でした。しかし、ササミにも(ムネ肉と同様に)豊富に含まれているという実験結果も存在します。ささみと胸肉は隣り合っている&似ている部位なので、どちらにも同じくらい含まれると考えるのが自然かもしれませんね
※鶏肉抽出物を用いたヒト介入試験による
さいごに【値段の違い】
ささみと胸肉では、スーパーで売られている1パックあたりの値段は、ささみのほうが安いケースが多いです。
しかし、ささみは一般的に内容量が少ないため、同じ重さで比べると胸肉のほうが安い場合がほとんどです。
安さにこだわるなら、値札の隅に書かれた100gあたりの価格をチェックして買い物することをおすすめします。
最後までご覧いただきありがとうございます。ヘルシーさにこだわるならササミがおすすめですが、胸肉のお手頃感も魅力です。どちらを買うかはそのときのモード(カラダ作りや料理にストイックかどうか)で決めるのが良いかもしれません!
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参考URL
- 鶏肉の部位 – 独立行政法人 家畜改良センター兵庫牧場
- 鶏肉の部位図鑑 – 農林水産省
- 鶏肉の生産、処理加工および流通の現状 – 独立行政法人 農畜産業振興機構
- 鶏肉 – 旬鮮図鑑 – 千葉県
- 食品成分データベース – 文部科学省
- レトルト加工および保蔵期間が鶏肉のイミダゾールジペプチド含有量に及ぼす影響 – 日本食品科学工学会誌 – J-STAGE