大正3年(1914年)の今日、東京駅が開業しました。
設計したのは、当時の日本建築界の第一人者で、日本銀行本店などの設計も行なった辰野金吾(たつの・きんご)です。当初の建設予算は42万円と小規模でしたが、設計途中に日本が日露戦争に勝利したことも手伝い、およそ7倍となる280万円の工費で完成しています。

完成当時の東京駅01
▲完成当時の東京駅(『寫眞通信』大正四年一月號)via Wikimedia Commons public domain


東京駅開業までの歴史は?

東京駅は、それまで各方面ごとに独自に敷設されていた官設鉄道と私設鉄道を結んで都市内の交通を活性化し、同時に日本列島を縦貫する国土交通の大動脈を創出することを目的に設置が計画されました。

1904年時点の東京の鉄道網地図02
▲1904年時点の東京の鉄道網地図。上野(秋葉原)~新橋間に鉄道は通っていませんでした via Wikimedia Commons Tam0031 CC BY-SA 3.0(画像を加工して作成)

具体的には、すでに東京のターミナルとして開業していた新橋駅と上野駅とを結ぶ市街線を建設し、両駅間に東京駅を設置することで、東京駅に全国に拡がる鉄道網の収束点としての役割を担わせようとしたのです。

東京駅の建設工事は明治41年(1908年)に着工し、6年半後の大正3年(1914年)12月14日に完成。12月18日に大隈重信首相を来賓として東京駅開業式を行い、12月20日に営業を開始しました。
東京駅の開業により、それまで東海道本線の起点だった新橋駅は貨物駅化のうえ汐留駅となり、旧烏森駅を「新橋駅」と改称しています。

駅名「東京駅」の決定はギリギリだった!?

東京駅は建設工事の段階では「中央停車場」と呼ばれていました。

辰野金吾設計による東京駅舎の第3案01
▲辰野金吾による駅舎設計案。「中央停車場建築圖」の文字が見えます

しかし、改称にあたっては、日本の中心・東京に完成するからには「東京駅」と命名し、地方の人に分かりやすくすべきと考える側と、首都を代表する駅には外国の例にならって「中央駅」の名を冠するべきとする側に分かれて議論が紛糾。鉄道院の告示によって名称が「東京駅」に決定したのは、開業2週間前(12月5日)のことでした。

【さいごに】開業100周年記念Suica&110周年新紙幣

東京駅開業100周年を迎えた平成26年(2014年)には、JR東日本が「東京駅開業100周年記念Suica」を発売。当初は1,500枚限定の予定でしたが、購入希望者が殺到し、最終的な購入申し込みは合計で約499万枚に上りました。


▲当時のニュース(ライブドアニュースより)。当日は東京駅構内で混乱が起き、販売が打ち切られました

また、開業110周年の年となる2024年発行予定の新一万円札裏面には、東京駅・丸の内駅舎(赤レンガ駅舎)がデザインされています。

2024年度発行予定の1万円紙幣裏01
▲2024年度発行予定の新一万円札(裏) via Wikimedia Commons 独立行政法人 国立印刷局 CC BY 4.0
ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

新一万円札の表面に描かれているのは渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)。東京駅開業当時に使われた赤レンガは、渋沢栄一が埼玉県深谷市に設立した「日本煉瓦製造株式会社」の製品です

関連ページ▼

※ページ内で紹介している情報は変更になる場合があります。最新情報は公式サイトなどでご確認ください

参考URL・参考書籍