松茸(マツタケ)は「アカマツ」という松の木の近くに生えることがよく知られています。
このページでは、松茸の生える場所と生える条件・育つ環境について紹介します。
松茸が生えるのはアカマツの近く
松茸はアカマツの根に寄生する菌(菌根菌)がキノコ(子実体)になったものです。
松茸はアカマツが土から水分や養分を吸収するのを助け、アカマツは松茸(菌根菌)に炭水化物を与えています。
この助け合いによって、アカマツの近くに松茸が生えるのです。
もちろん、アカマツが地中に根を伸ばす範囲であれば、一見マツから離れているような場所にも松茸が生えることがあります。
松茸の生える条件は?
アカマツが生えていれば、どこにでも松茸が生えるわけではありません。
というのも、先ほどのような松茸とアカマツの助け合い(共生関係)が保たれている必要があるからです。
松茸が育つ環境として適しているのは、実は「土の栄養が乏しい場所」です。
マツタケ菌はほかのキノコ類や細菌との競争に弱い菌。土地がやせているとライバルが少なくなり、マツタケが生えやすくなるのです。
具体的には、ハナゴケが生えるくらいやせた土地が良いとされています。
栄養が少ないほうがマツタケが生えやすいなんて、ちょっと意外ですね。
さいごに|人工栽培が難しい理由
最後までご覧いただきありがとうございます。マツタケの人工栽培が難しい理由の1つに、ページ内に出てきた「マツとの共生関係」があります。
シイタケなどは木材を分解して栄養にするため、木が枯れていても問題ありませんが(木材腐朽菌)、マツタケは相手の木が生きていないと成長できないのです(菌根菌)。
【木材腐朽菌】 倒木でもOK | 【菌根菌】 生きた植物と共生 |
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この共生関係を人工的に再現するのが難しいこともあり、未だマツタケの人工栽培には成功例がありません。
とはいえ、マツタケのゲノム解読成功のニュースが発表されるなど、各所で研究は着実に進んでいるようです。期待して待ちたいですね!
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参考URL
- 松林と菌根菌 – 一般社団法人 日本緑化センター
- マツとマツタケ – 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 四国支所
- きのこの生態を解き明かし、世界初のマツタケ人工栽培をめざす。 – 近畿大学農学部スペシャルサイト
- 地衣類って何だろう? – 国立科学博物館
- 不思議がいっぱい!きのこの生態と豆知識 – 農林水産省
- マツタケの人工栽培、可能になるかも…遺伝子2万1887個の並び順特定 – 読売新聞オンライン