松茸の生える場所(生える条件・育つ環境)01

松茸(マツタケ)は「アカマツ」という松の木の近くに生えることがよく知られています。

このページでは、松茸の生える場所と生える条件・育つ環境について紹介します。


松茸が生えるのはアカマツの近く

松茸はアカマツの根に寄生する菌(菌根菌)がキノコ(子実体)になったものです。

松茸はアカマツが土から水分や養分を吸収するのを助け、アカマツは松茸(菌根菌)に炭水化物を与えています。
この助け合いによって、アカマツの近くに松茸が生えるのです。

菌根菌のイメージ(松茸の生える場所)02
▲菌根菌のイメージ(近畿大学Webサイトをもとに作成)

もちろん、アカマツが地中に根を伸ばす範囲であれば、一見マツから離れているような場所にも松茸が生えることがあります。

アカマツ林(長野県上田市)01
▲長野県上田市の赤松林。長野県は全国有数の松茸の産地です

松茸の生える条件は?

アカマツが生えていれば、どこにでも松茸が生えるわけではありません。
というのも、先ほどのような松茸とアカマツの助け合い(共生関係)が保たれている必要があるからです。

松茸が育つ環境として適しているのは、実は「土の栄養が乏しい場所」です。
マツタケ菌はほかのキノコ類や細菌との競争に弱い菌。土地がやせているとライバルが少なくなり、マツタケが生えやすくなるのです。

具体的には、ハナゴケが生えるくらいやせた土地が良いとされています。
栄養が少ないほうがマツタケが生えやすいなんて、ちょっと意外ですね。

ハナゴケ01
▲ハナゴケ。コケの仲間ではなく、菌類の仲間(地衣類)です

さいごに|人工栽培が難しい理由

最後までご覧いただきありがとうございます。マツタケの人工栽培が難しい理由の1つに、ページ内に出てきた「マツとの共生関係」があります。

シイタケなどは木材を分解して栄養にするため、木が枯れていても問題ありませんが(木材腐朽菌)、マツタケは相手の木が生きていないと成長できないのです(菌根菌)。

【木材腐朽菌】
倒木でもOK
【菌根菌】
生きた植物と共生
  • しいたけ
  • なめこ
  • えのきたけ など
  • マツタケ
  • ホンシメジ
  • トリュフ など

この共生関係を人工的に再現するのが難しいこともあり、未だマツタケの人工栽培には成功例がありません。
とはいえ、マツタケのゲノム解読成功のニュースが発表されるなど、各所で研究は着実に進んでいるようです。期待して待ちたいですね!

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